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「歌志内における“なんこ料理”」と「圧力鍋を使用した“なんこ料理”」の調理法

 歌志内の"なんこ(馬の腸)料理"は、炭鉱が盛んだった時代に家庭料理のほか、飲食店でもそれぞれ独自のメニューで提供され、住民に広く親しまれていました。特に盆や正月の人が集まる時期や山菜が採れる時期等にはよく作られていました。
 家庭毎に野菜等の具材や作り方、味付け等が異なり、現在でも70~80歳世代の家庭では正月等に作られており、飲食店では「うたしないチロルの湯」のレストランで通年食べることができます。
 しかし、料理に手間と時間がかかる、生活様式の変化などもあり若い世代の家庭ではほとんど作られていません。"なんこ料理"を若い世代に伝承することを目的に、現在も料理されている方々から聞取り調査をすると共に、調理の時間短縮のために圧力鍋を利用している方の指導で"なんこ料理"の一例として試作しました。

うたしないチロルの湯」のなんこメニュー(歌志内市中村78-3 電話:0125-42-5588)

なんこメニュー

1."なんこ料理"の作り方

 "なんこ(馬の腸)料理"は、家庭毎に具材や調理法、味付け等が異なりますが、基本的にはなんこを下ゆでして一口大に切り、再度柔らかくなるまで煮た後、野菜等の具材を加えて味噌で味付けして煮込み味を整えます。
 現在もなんこ料理を作られている方々から聞取りした、作り方の概要を紹介します。

なんこみそ煮
 

作り方


 1."生なんこ"または"ボイルなんこ"を水で良く洗う。

 2.なんこを鍋に入れ、なんこが十分にかぶる位まで水を加え、なんこが縮んで切りやすくなる程度までゆでる。

 3.なんこをボールに取り出し、一口大に切る(ゆで汁を後で煮汁に加える場合は、ゆで汁をザルで濾す)。

 4.煮汁として水に好みによりなんこのゆで汁あるいは酒等を加え、なんこと姫竹の子、コンニャク、玉ねぎ等好みの具材を入れてなんこが柔らかくなるまで煮る(普通の鍋でストーブかコンロの上でコトコトと時間をかけて煮るか、時間短縮のために圧力鍋を使用しても良い)。

 5.なんこが好みの柔らかさになったら味噌を加えて味付けし、好みにより隠し味として生姜の絞り汁、砂糖、化学調味料、だしの素等を加えて適宜煮込む。

 6.さらに好みにより、一味唐辛子、山椒等を食べる時に加える。

2.圧力鍋を使用した"なんこ料理"の調理例

 若い世代の家庭への伝承を目的に、調理時間の短縮のために圧力鍋を利用している方の指導で試作した結果を調理法の一例として紹介します。

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調理例


圧力鍋:(株)平和アルミ製作所製 PC-10W(満水容量10リットル、作動圧力1.3kg/㎠)

材料:10リットルの圧力鍋に合わせた分量(約20人分)
  ・生なんこ      4kg
  ・姫竹水煮     400g
  ・コンニャク(200g)  4丁
  ・玉ねぎ       8個
  ・白味噌     約300g
  ・化学調味料   小さじ1
  ・一味唐辛子、おろし生姜、山椒 各々好みで少々      

材料  

作り方

 1. 生なんこを水で良く洗い、通常の鍋に入れ、なんこが十分にかぶる位まで水を加え、なんこが縮んで切りやすくなる程度までゆでる。(20分位)

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 2.なんこをボールに取り出して一口大に切り、ゆで汁はザルに濾紙を敷いて濾す。

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 3.姫竹は斜め切り、玉ねぎはくし切り、コンニャクは塩で揉んで水洗して一口大に手でちぎる。

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 4.圧力鍋になんこ、姫竹水煮、コンニャク、玉ねぎを入れ、ゆで汁と水を材料がかぶる程度まで加え、蓋をしてオモリをセットして所定圧力で10分程度加熱する。

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 5.鍋に水道水をかけて1分間程度冷却し、オモリを少しずつ傾けて蒸気を抜き、蒸気が出なくなったら蓋を開けてなんこの柔らかさを確認し、好みの柔らかさになるまで所定圧で再度加熱する(今回は約20分間追加加熱)。
 なんこが柔らかくなったら、味噌と化学調味料を加えて好みに合せて味付けして適宜煮込む。

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 6.器に盛り付けて完成。好みにより一味唐辛子、おろし生姜、山椒等を加える。

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圧力鍋を使用する時の留意点

 ・圧力鍋は製品により作動圧力が異なり、作動圧力が低いと加熱時間が長くかかります。
 ・使用前にパッキンや安全弁等に異常がないか確認してください。

生なんこ(アルゼンチン産等)の販売店

 ・(有)一力商店(芦別市南1条東2丁目12-11   TEL.0124-22-3298 日・月曜定休日)等

お問い合わせ

郷土館ゆめつむぎ(地域おこし協力隊 後町光夫)
電話:0125-43-2131 

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